セミセルフレジとは?導入して起こるトラブルとともに紹介
- [このコラムでわかること]
- セミセルフレジとは
- セミセルフレジを導入する5つのメリット
- セミセルフレジを導入する3つのデメリット
- セミセルフレジの導入に対するお客様の評価は?
- セミセルフレジ導入によって起こるよくあるトラブル
- セミセルフレジ導入にあたって気をつけておきたいポイント
セミセルフレジの導入を検討しているものの、どのような特徴があるのかがわからずお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
導入する前に、どのようなトラブルが起こるのかは押さえておきたいですよね。
そこで本記事では、セミセルフレジとはなにかを、導入することで起こるトラブルとともに紹介します。
これからセミセルフレジを導入される方は、ぜひ最後までご覧ください。
セミセルフレジとは
セミセルフレジとは、商品のバーコード読み取りは店員が行い、会計はお客様自身が行う種類のレジのことです。
商品を読み取ったあとに、お客様を自動釣銭機に誘導できれば、そのお客様の会計が終わっていない状態でも、次のお客様の対応が可能です。
自動釣銭機とは、入金された金額と会計額から自動的に釣銭の金額を計算して釣銭を出金してくれる機械で、POSレジに連携することで、セミセルフレジの実現を可能にしました。
なお、現金決済の場合は自動釣銭機、クレジットカードや電子マネーの場合は決済端末をPOSレジに連動することで、決済方法を追加することができます。
下記の記事で、POSレジと自動釣銭機を連携させるメリットを解説しています。ぜひ参考にしてください。
▶参考記事:自動釣銭機とPOSレジを連携させるメリットとは?
セルフレジとの違い
セミセルフレジに似ているものとして、セルフレジ(フルセルフレジ)が挙げられます。
セルフレジとは、商品のバーコード読み取りから会計作業まで、すべてお客様が行うレジのことです。
バーコードの読み取り作業を店員が行うセミセルフレジとは違って、お客様自身が会計にかかわるすべての工程を行うため、レジ担当の店員を配置する必要がありません。
ただし、セルフレジはお客様自身で商品を読み取らなければならないため、バーコードの読み取りに慣れていないお客様は、かえって時間がかかってしまいます。
そのため、商品の読み取りのみ、店員が行うセミセルフレジを導入している店舗も多いようです。
セミセルフレジを導入する5つのメリット
セミセルフレジを導入することには、5つのメリットがあります。
それぞれの詳細を見ていきましょう。
メリット①スタッフの業務負担を軽減できる
セミセルフレジは、会計作業はお客様が行うため、すべての作業を店員が行う従来のレジと比べると、店員の業務負担を軽くすることが可能です。
また、お客様に会計を行ってもらうことで、1つのレジにおける回転率を上げることもできるので、レジ待ちの行列を回避できることや業務の効率化を図ることにもつながります。
さらに、現金決済のお客様に起こりうる、釣銭の渡し間違いなどのミスも防止できます。
下記の記事で、POSシステムについて解説しています。業務の負担を軽くすることができるので、ぜひこちらも参考にしてください。
▶参考記事:POSシステムとは?導入するメリットやデメリットとともに紹介
メリット②感染症予防につながる
セミセルフレジでは、お客様が自動精算機を使って会計を行うため、店員とお客様のあいだで現金をやり取りする必要がなくなります。
食品を取り扱うスーパーマーケットや飲食店などでは、店員がお金に直接触れることがないため、衛生面をお客様にアピールできることも、セミセルフレジを導入するメリットの1つです。
また、お客様と店員の直接のやり取りが減るため、感染症の予防にも効果的です。
メリット③お客様とコミュニケーションがとれる
商品の読み取りから会計処理までお客様自身が行うセルフレジでは、あくまでも何らかのトラブルが起きたときのためのサポートのために、店員を少人数のみ配置しています。
基本的には、レジの台数よりも少ない人数の店員を配置しているため、通常のレジのようにすべてのお客様に寄り添ったコミュニケーションはできません。
そのため、セルフレジの場合は、お客様から商品への意見をすぐに店員に伝えられないため、不安や不満があっても、店員に伝えらないまま持ち帰ることになってしまいます。
一方でセミセルフレジでは、商品の読み取りは店員が行うので、その際にお客様の不安や不満を伺って、適切に対処することができます。
これは、担当する店員による部分もありますが、会計部分のみ簡易化することで、お客様とコミュニケーションをとる時間を確保できることも、メリットだといえるでしょう。
メリット④会計ミス・不正防止につながる
セミセルフレジは、会計に自動釣銭機を導入しているため、会計ミスや不正を防止することもできます。
お客様が投入したお金に対する釣銭を、自動で計算して払い出してくれるため、釣銭の渡し間違いや店員側の不正も防げます。
釣銭の渡し間違いが防止できれば、売上金の管理に手間がかからず、釣銭の管理も楽になるでしょう。
下記の記事で、自動釣銭の機能や設置するメリットを解説しています。あわせて参考にしてください。
▶参考記事:自動釣銭機とは?メリット・デメリットや機器の選び方を紹介
メリット⑤多様な決済ニーズに応えられる
セミセルフレジは、現金決済はもちろんですが、クレジットカードや電子マネー決済、そしてQRコード決済にも対応することが可能です。
お客様のニーズに対して、柔軟に応えられることは大きなメリットです。
また、一般的なレジでは、希望する決済方法をお客様から伝えてもらう必要がありましたが、セミセルフレジではタッチパネル方式で、お客様自身で決済方法が選べます。
そのため、口頭で確認を行う必要がなくなり、これまでよりも、さらにスムーズな決済処理が期待できます。
セミセルフレジを導入する3つのデメリット
さまざまなメリットのあるセミセルフレジですが、一方でデメリットもあります。
ここからは、セミセルフレジの3つのデメリットを紹介します。
デメリット①操作に慣れるまでに時間がかかる
セミセルフレジを導入してすぐの段階では、慣れている方はスムーズに処理できますが、慣れていない方は、操作につまずきかえって時間がかかる可能性があります。
そのため、しばらくのあいだは、素早くサポートを行えるように店員を配置することがおすすめです。
お客様によっては、自分で行う会計作業が手間に感じてしまい、そのお店に足を運ぶことをやめてしまう可能性もあるため、事前に対策しておきましょう。
デメリット②トラブルが発生する可能性がある
お客様自身が会計処理を行うセミセルフレジでは、払い忘れや未払いでの商品の持ち帰りなどのトラブルが起こる可能性があります。
基本的に、商品の読み取りを行っている店員は、会計処理まで進むと次の方へと対応を移すため、注意の意識がそちらに移ってしまいます。
そのため、お客様がお金を払い忘れたり、店員の目を盗んでお金を払わずに商品を持ち帰ったりするといった、トラブルが発生する危険性も少なくありません。
そのようなときは、セミセルフレジを店員と向き合う形に設置すると、店員の目がある状態で会計を行わなければならないので、このようなトラブルを防げる可能性が高まります。
デメリット③セミセルフレジの設置スペースや費用がかかる
セミセルフレジの導入には、高額の費用がかかります。
また、導入するセミセルフレジのサイズを把握したうえで、設置するスペースはあらかじめ確保しておかなければなりません。
なお、レジが無人の場合でも、トラブルが起こった際に店員がオペレーションするためのスペースが必要になるので、余裕をもった面積の確保をおすすめします。
セミセルフレジの導入に対するお客様の評価は?
デメリットの項目では、お客様によってはセミセルフレジの操作を手間に感じてしまう可能性があるとお伝えしました。
では、実際の消費者は、セミセルフレジに対してどのように感じているのでしょうか?
株式会社MS&Consultingが、2022年1月にセミセルフレジを導入したスーパーマーケットや、アパレルを利用した一般消費者に対してネットリサーチを行いました。
ここでは、そのネットリサーチの結果を紹介します。
セミセルフレジを利用した一般消費者へのネットリサーチの結果
好印象 | 抵抗あり | |
スーパーマーケット | 45% | 5% |
ドラッグストア | 43% | 4% |
上記を見ると、セミセルフレジを導入したことを好印象だと感じている方の割合は、スーパーマーケットとドラッグストアのどちらも、半数程度だということがわかります。
半数程度の方が好印象であることをふまえると、一般消費者にとってレジのセルフ化には前向きな方も多いことがわかります。
また最近では、現金ではなくキャッシュレス決済を利用する方も増えてきているため、レジのタッチパネル操作がわかりづらいと、利用者がその店から離れてしまうこともあるようです。
参照元:株式会社MS&Consulting 「『セルフレジ導入』をお客様はどう思っている?」
セミセルフレジ導入によってよく起こるトラブル
セミセルフレジを導入する場合は、どのようなトラブルが起こるのかも想定しておかなければなりません。
ここでは、セミセルフレジを導入した場合に、よくある4つのトラブルを詳しく紹介します。
トラブル①お客様への説明に時間がかかる
セミセルフレジでは、お客様側で画面に表示された金額を希望する決済方法で支払うという作業を行うことになります。
操作方法は簡単ではあるものの、ご高齢の方や機械の操作に慣れていない方は操作方法がわからず、店員のサポートが必要になるケースがあるという点には注意が必要です。
その際、お客様によっては、説明や、そのあとの操作に時間がかかることも考えられます。
操作に不慣れなお客様が来店された場合には、店員が横に付き添ってサポートを行うなど、対応方法を事前に考えておくとよいでしょう。
トラブル②喧嘩やクレームが発生する
セミセルフレジは、店長にとっては会計作業が半自動化できるというメリットはありますが、会計作業に時間がかかるお客様がいた場合には、ほかのお客様を待たせてしまいます。
セミセルフレジが1台しか設置されていない場合、なかなかレジが使えないことにしびれを切らしたお客様が怒るケースもあります。
場合によっては、お客様同士で喧嘩になることもあるので、レジを複数台設置したりスタッフを1人は常駐したりするなど、対応を考えなければなりません。
トラブル③商品のお金を払い忘れる
セミセルフレジを導入したことで、お客様の支払い忘れが発生することもあります。
単純に忘れていて帰ってしまったお客様であれば、連絡をとって後日支払ってもらえれば問題ありません。
しかし、なかには意図的に支払いを行わず、商品を持ち帰る方もいます。
どちらの場合にしても、店員側の過剰な過失がない限りは、経営者ではない店員が賠償する必要はないため、経営者の方は注意しましょう。
お客様の支払い忘れを防止するためにも、店員を常駐させることや、あとから確認できるように防犯カメラを設置することをおすすめします。
トラブル④小銭やお札が詰まってしまう
セミセルフレジに一気にお金を投入すると、小銭やお札が詰まることはよくあります。
お金が詰まると、機械そのものが使えなくなり、最悪の場合は機械が故障します。
機械が故障した場合には、業者に修理を依頼しなければならないため、復旧までに時間がかかることがほとんどです。
単純に支払いのためにお札を投入して詰まったという場合もあれば、財布の中に入っていた小銭を、両替のためにすべて投入して詰まったという場合も考えられます。
レジの前に注意書きのチラシを貼り、簡単な詰まりは店員が解消できるように機械の操作方法を確認しておくなど、事前に対策しておきましょう。
セミセルフレジ導入にあたって気をつけておきたいポイント
最後に、セミセルフレジを導入する際に、気をつけておきたい2つのポイントを紹介します。
セミセルフレジをこれから導入される方は、ぜひ参考にしてみてください。
ポイント①スタッフへの指導を入念に行う
セミセルフレジで起こりうるトラブルは、スタッフの対応によって防げることもあります。
そのため、セミセルフレジの導入を行う際は、スタッフへの指導も行いましょう。
たとえば、マニュアルを作って、機器のトラブルの対処方法やお客様への対応方法などをまとめておくと、いざトラブルが起こった際にもスムーズに対応できます。
あらかじめ想定される、機器の使用方法やお金の詰まり、そして決済方法などはマニュアルに記載しておきましょう。
事前準備を整えておくと、実際にトラブルが起こっても迅速に対応できるので、重大なトラブルにつながることを防げます。
ポイント②業務効率化によって捻出できた時間を別業務へ充てる
セミセルフレジはお客様が会計作業を行うものの、すべての方が問題なく対応できるわけではありません。
機械に慣れていない方には、適切にサポートを行う必要があります。
なお、一定数の方にはサポートが必要ではあるものの、セミセルフレジを導入すれば、業務の効率化が期待できます。
そのため、普段忙しく対応できていなかった業務を行ったり、空いた時間を使って接客に力を入れたりするといった対応も可能です。
業務効率化によって生まれた時間を無駄にしないように、別の業務に充てることも大切です。
セミセルフレジに関連するトラブルを防ぐためにスタッフの指導は入念に行いましょう
いかがでしょうか?
セミセルフレジとは、商品のバーコードの読み取りは店員が行い、会計作業をお客様に行ってもらうレジのことです。
店員側の業務効率化が期待できるメリットがある一方で、お客様への説明に時間がかかることや、お金が詰まることなどのトラブルが起こる可能性があります。
このようなトラブルを防ぐために、事前に対策を考えておきましょう。
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